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Goldfield, Nevada

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Goldfield, Nevada

March 1, 2015

無骨な町には馬留めと夕日がよく似合う。

町にも性別があったとしたらここは間違いなく男性だろう。
しかもムキムキの。

ネバダを代表する2つの大都市、ラスベガスとリノのちょうど真ん中くらい、つまり土と雑草しかない場所に、ゴールドフィールドの町がある。

無骨な町にはサルーンがよく似合う。

その名のとおり、20世紀初めにはゴールドラッシュで湧いた。

1902年にゴールドフィールドで金脈が発見されると、小さな町のニュースは瞬く間にアメリカ中に広まった。一攫千金を目論む事業家、荒くれ者、詐欺師、そしてワイアット・アープまでがやってきた。そして1906年には2万人を抱える大きな大きな町になった。

有名なボクサーの試合も開催された。あの有名なジョー・ガンスとバトリング・ネルソンのやつだ。町は大いに盛り上がった。

無愛想なアンティークショップがある。青が素敵だ。

男たちは掘った。とにかくたくさん掘った。
そして金塊は尽きた。
男たちは去った。

そして1923年、町を大火事が襲った。学校やホテルを残して、炎が全て持っていってしまった。町はスカスカになってしまった。

そして夢は終わった。
ざっくばらんな風景。奥に見える柱みたいなものは何だろう。

今や平均年齢は48歳で、ほとんどが年金暮らしだ。労働者の年収もネバダ全体の半分しかない。町の現状は厳しい。

けど未来がないわけではない。
レンガ作りのハイスクールやホテルは、火災を生き延びて今でも立派に立っているし、映画のロケ地にだって何度も選ばれている(あの『ヴァニシング・ポイント』もここで撮られたそうだ)。他では滅多に見られないこの景観は、この町の自慢だ。

門があった。門だけがあった。

毎年8月には『ゴールドフィールド・デイズ』というパレードが開かれる。
ベガスからたったの3時間の距離なので、何かのついでに立ち寄るのもいいだろう。ただその時期のネバダは灼熱。水と帽子だけはお忘れなく。

リチャード・マニュエルの声がよく似合う。 The Band - "Tears Of Rage"